制酸薬(速効)

制酸薬(速効)とは?

胃の不快症状である胸焼けや胃酸過多、胃もたれなどを素早く和らげるために、制酸薬(速効)は有効な手段の一つです。

制酸薬(速効)は、胃酸を中和することで、胃の不快症状を素早く和らげます。
胸焼け、胃酸逆流、胃もたれは胃酸過多が原因で起こるため、制酸薬がこれらの症状に効くのです。

また、制酸薬(速効)は、主に以下の2つの作用機序によって効果を発揮します。
一つは中和作用と言い、胃酸を中和することで、胃酸過多による刺激を緩和します。
そしてもう一つは保護作用で、胃粘膜を保護することで、胃酸からの刺激を防ぎます。

制酸薬(速効)の種類

制酸薬(速効)には、大きく分けて以下の3種類があります。

  • 水酸化アルミニウム製剤
    水酸化アルミニウムが胃酸を中和し、胃粘膜を保護します。
    速効性があり、胃痛や胸焼けなどの症状を素早く和らげることができます。

  • 炭酸水素ナトリウム製剤
    炭酸水素ナトリウムが胃酸を中和し、胃粘膜を保護します。
    水酸化アルミニウム製剤よりも速効性があり、効果も持続します。

  • ケイ酸アルミン酸マグネシウム製剤
    ケイ酸アルミン酸マグネシウムが胃酸を中和し、胃粘膜を保護します。
    水酸化アルミニウム製剤や炭酸水素ナトリウム製剤よりも効果が持続し、胃痛や胸焼けなどの症状を長時間抑えられます。
    薬が胃を荒らさないようにする目的で、風邪薬や解熱鎮痛薬にも配合されています。

代表的な制酸薬(速効)とその選び方
  • ガスター(ファモチジン)
    H2ブロッカーと呼ばれる胃酸分泌抑制剤です。
    胃酸過多を抑えることで、胃の不快症状を改善します。

  • ムコスタ(レバミピド)
    粘膜保護剤と血行促進剤の作用を持つ薬です。
    胃粘膜を保護し、修復を促進することで、胃痛や胸焼けなどの症状を改善します。

制酸薬(速効)を選ぶ際には、以下のポイントを参考にしましょう。

  • 症状
    胃痛、胸焼け、胃もたれなど、胃の症状と言ってもその感覚は人それぞれです。
    自分の症状に合った薬を選びましょう。

  • 効果の持続時間
    速効性だけでなく、効果の持続時間も考慮しましょう。
    例えば、仕事中に胃の不快感がなくなるようにしたい場合は、少なくとも朝飲めば昼まで、昼飲めば夜まで効く薬が良いでしょう。

  • 副作用
    自分の体質に合わせ、副作用が出にくい薬を選びましょう。

胃の不快症状でお困りの方は、医師や薬剤師に相談し、自分に合った制酸薬(速効)を見つけることをおすすめします。
しかし、制酸薬(速効)は、あくまでも一時的な対症療法です。
根本的な原因を解決するためには、医師による診断と治療が必要です。